いい加減な日記

いい加減な奴がいい加減に書く雑記です。

初恋の世界 1巻

娚の一生』『姉の結婚』の西炯子の新作が出ていました。

 

おしゃれな空間で本や写真集を片手にコーヒーを飲んで優雅な時間を過ごすことをコンセプトに作られたコーヒーチェーンの店長として働く小松薫は、独身で40歳の誕生日を迎えた翌日、故郷の角島県に転勤を命じられます。

故郷へ戻ってみると、カフェは全くの別物になっていました。近縁のはずなのにたばこの煙が充満し、おしゃれな音楽は歌謡曲?へと変わっており、コンセプトを無視した昔ながらの喫茶店になっていたのです。

唖然とする薫は、社員で店長の鈴木を呼び出すも、応対するのはアルバイトの小鳥遊という男。

そこへおつかいから戻ってきた店長の鈴木が事情を説明します。店長一人では集客できず閑古鳥が鳴いていたカフェに、突然小鳥遊がやってきて、次第に店を手伝うようになったのだと。そこから売り上げも上昇し、彼なしではやっていけないのでアルバイトとして雇うも、実質の経営権は店長ではなく小鳥遊が握っているという現状。

小鳥遊の存在に戸惑う薫ですが、彼に住むところを紹介してもらったり、カフェのフードメニューの調理も彼が行っているため、無下には放り出せません。

しかし、本部から支店の経営改善の命を受けている以上、無視はできないため、薫はテコ入れを始めます。店内禁煙や毎朝コーヒー豆を煎るなど改革に乗り出すも、お客さんの反応は芳しくありません。一方で、小鳥遊のランチは好評。

ある日、経歴不詳の小鳥遊に履歴書を書くよう言うも、軽くあしらわれてしまう薫。しかし彼が中途半端に書いていった履歴書には、彼の名前、住所、生年月日が。

せんきゅうひゃくはちじゅう…と考え、薫は小鳥遊が自分の10歳下だと知ります。

 

まだ1巻なので導入的な感覚です。

主人公はアラフォー、『娚の一生』は年上で『姉の結婚』は同い年、そして今回は年下の相手との恋愛って感じですかね。設定は結構今までの作品と似通ってます。

そして掲載誌のこともあるんでしょうが、相変わらず誰かが不倫してる感じはちょっと笑ってしまいます。

薫と小鳥遊の他にも、薫の地元の仲良し同級生やたぶんこの巻以降出番はほとんどないであろう元店長の鈴木など、脇キャラは面白い、いい味出してくれるキャラが多いです。吹き出し以外でのちょっとした台詞や方言などにクスッと笑えたり心が温まったりするのは、彼女の作品ならで、私は好きです。

薫も小鳥遊も、まだまだお互い意識してないし、恋愛も含めてこれから過去のことが明らかになっていくと思うので、楽しみにしています。